日本大腸肛門病学会雑誌
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術式決定にへりカルCTが有用であった成人仙尾部奇形腫の一例
青山 浩幸丸田 守人前田 耕太郎内海 俊明佐藤 美信滝沢 健次郎犬飼 健太郎加藤 良一
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2001 年 54 巻 4 号 p. 267-272

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抄録

仙尾部奇形腫は新生児期に発見され手術されることが多く,成人例は稀である.われわれは手術体位や到達法の選択において,嚢胞造影併用ヘリカルCTの多断面再構成像(MPR)及び三次元像(3D)が有用であった成人仙尾部成熟型奇形腫の1例を経験したので報告する.症例は52歳の男性で,殿部の圧迫感を主訴に受診した.注腸,MRIなどの検査所見により仙尾部嚢胞性腫瘍と診断した.術前施行した嚢胞造影併用ヘリカルCTのMPRにて任意の断面にて腫瘍及び周囲臓器を観察,3Dにて仙尾骨及び骨盤との関係をシュミレーションし,体位,到達法を決定した.体位はjack-knife位とし経仙骨的に腫瘍及び尾骨と第5仙椎を摘出したが,容易に,確実に手術が訂能であった.患者は術後,排便排尿機能障害を呈することもなく良好に経過した.

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