日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸癌局所再発例における末期QOLと緩和的対処
渡辺 敏早田 浩明
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2001 年 54 巻 4 号 p. 273-276

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抄録

局所再発進展を有する直腸癌の25死亡例について, 死への過程と各種緩和医療的対処の状況を検討した. 〈結果〉 (1) 死因. 12例が骨盤腔内の再発巣に関連した(骨盤腔内の感染に起因 : 9例, 癌浸潤消化管からの出血死 : 3例). 残る13例の死因は骨盤腔以外に存在した. (2) モルヒネ使用状況について. 個々の投与最高量は0~1,800mg/日 (中央値 : 310mg) であった. (3) 他の鎮痛補助剤の使用状況について. 12例にステロイド剤が, 6例に塩酸ケタミンが, 4例にリドカインが併用された. 〈考案〉 多くの症例は, モルヒネ単独でその疼痛の制御が可能であったが, 他補助剤が必要とされることも多かった. 死因の半数は, 再発癌巣に関連した感染や出血など骨盤腔に起因したものであった. 〈まとめ〉 本病態下でのQOLの改善には, 鎮痛, および局所感染症に対する努力が必要である.

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