日本大腸肛門病学会雑誌
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肛門病変を契機に診断されたCrohn病の検討
腹部症状が初発のCrohn病との対比
前田 和弘瀬尾 充岡田 光男王寺 恒治神田 基信青柳 邦彦向坂 彰太郎田中 伸之介池田 靖洋中山 吉福田中 隆石見 賀正
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2001 年 54 巻 6 号 p. 391-395

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抄録

肛門病変初発のCrohn病患者を腹部症状初発のCrohn病患者を対象に肛門病変の有無,病型,X線内視鏡所見,活動指数を比較検討した.A群:肛門病変初発群9例,B群:腹部症状初発群12例であった.A群は全例肛門科よりの紹介例であった.A群の肛門病変は痔瘻,肛門周囲膿瘍,Skintagなど多彩な肛門病変を認め,全例外科的手術が施行された.A群にアフタのみからなる例を高率に認めた.A群ではB群に比しX線所見で敷石像を認める例は少なく,活動指数はB群に比し有意に低値であった.
肛門病変初発のCrohn病は腹部症状初発例に比し,腹部症状を認めないことより消化管病変は軽微なことが多く,したがって臨床的活動指数も低い.肛門病変初発例のCrohn病の診断はアフタのみからなる例の診断をはじめ早期診断につながる.

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