山間部橋梁の耐候性鋼桁周辺の局所的大気ぬれ環境を明らかにするため, 鋼表面近傍の気温, 湿度および鋼表面温度を桁部位ごとにモニタリング装置で2年間同時計測した. この計測値から6箇所の結露時間 (TOC ) を算定した. 得られたTOC とさびの性状を比較するため, 代表的な計測部位におけるさび層の性状をXRD, 電位, さび厚測定および外観表面観察によって調べた. 得られたすべての部位のTOC は著しく短く, ISO 9223により算定されるぬれ時間 (TOWISO) の10%以下であった. 低水準のTOC 値はさび厚の薄さと対応した. また, TOC はγ-FeOOHの組成比, 電位およびさび外観に影響を与えた. この1つの山間部における橋梁桁の局部部位において, ぬれ環境指標としてTOC はTOWISOよりも適正であるといえる.