材料と環境
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論文
家電製品の腐食実態調査
―家電製品を模擬した腐食試験法の開発 (1)―
藤井 和美大橋 健也梶山 浩志藤田 栄
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2006 年 55 巻 8 号 p. 349-355

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抄録
家電製品の使用環境を模擬できる腐食試験法の開発に先立ち, 使用されている表面処理鋼板の腐食実態が調査された. 国内4地域から家電製品を回収し, 家電製品が使用されている環境の温湿度や家電製品に付着していた塩分量も測定した. エアコン室外ユニットでは, 離岸距離や設置場所の影響が認められた. また, エアコン室外ユニットや洗濯機では, 付着塩分量が腐食速度を支配する主要因子であった. 一方, 冷蔵庫の腐食は軽微であった. 家電製品の種類によって使用されていた環境の付着塩分量や温湿度が異なっていた. これら使用環境の違いが家電製品に使用されている表面処理鋼板の腐食状況の違いに影響を及ぼしていると考えられる. 家電製品の使用環境を模擬できる腐食試験法としては, 付着塩分量を広範囲に制御して腐食速度を評価することが重要である. また, 絶対湿度が一定で温湿度を変化させ, 湿潤率を50%以下に設定した試験環境が望ましい.
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© 2006 公益社団法人 腐食防食学会
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