2007 年 56 巻 7 号 p. 314-320
NaCl 存在下での空気中湿潤暴露によって,溶融Zn-Al系合金めっき上に形成された腐食初期生成皮膜について,SR-PES法とμ-FT-IR法を用いた構造解析を行った.その結果,Alを添加した合金めっき上には最初Zn(OH)2が形成され,腐食進行に伴い,皮膜の主成分がZn-0.2%Al上では塩基性炭酸亜鉛,Zn-55%Al上では塩基性塩化亜鉛にそれぞれ変化した.また,NaCl存在下の湿潤暴露によって,表面から深さ約1 nmまでの表層の構造がAl酸化物からAl塩化物に変化した.