抄録
本事例は,1993 年にある廃熱ボイラープラントで発生した.この事例は,2004年に美浜原発で発生した事例と,配管材料,環境条件および流量計の直ぐ下流に被害が発生したという点において共通の特徴を持っている.本事例については,当時の最高の知見によって原因が解析され,最善と思われる再発防止策が採られた.事故発生から7年後の2000年に上記の再発防止策の効果が検討された.この検討の結果と,新たに美浜の事例で得られた知見を合わせると,異常減肉発生の原因は流れの乱れではなく,マクロセル腐食にあるとする見解の合理性が確認された.