抄録
本研究ではMg-Al-Zn系合金の大気腐食に及ぼすAlの影響を調査するため屋外暴露試験および海塩付着模擬試験を行った.両試験法ともにAl含有量の多い合金ほど耐食性に優れ,暴露における表面皮膜中へのAl濃化が腐食抑制に有益な効果をもたらしたと考えられる.さらに屋外暴露試験における腐食形態はAl含有量の増加により全面腐食から局部腐食へと変化することが判明した.海塩付着試験におけるマグネシウム合金の腐食減量は付着塩量の増加,相対湿度の上昇により増大した.ここで得られた結果を水膜の厚みとCl濃度に対して整理することにより,マグネシウム合金の腐食速度が水膜厚み依存性を示すことを明らかにした.