抄録
救急搬送活動において,迅速な救急搬送はより多くの患者を救うために不可欠であり,そのために救急車専用退出路の設置が有効であるが,公共事業費が縮減される社会情勢においては,道路整備における整備効果の分析・評価を行い,救急車専用退出路の設置が有用な道路整備であると示すことが必要となる.救急搬送における道路整備効果は,道路整備によって増加する救命可能人数を貨幣価値に換算して便益とする方法が考えられる.しかし,道路整備の評価期間は数十年と長期に渡っており,人口動態の変化が生じるため,将来における状況変化を考慮して費用便益分析を行わなければならない.本研究では,将来的な救急搬送患者数を考慮した救急車専用退出路の設置効果分析を行う.