マウンドレス型孔食を再現するために,フィールド試験用銅配管を登別市内の孔食地区,非孔食地区に設置した.設置から9年後に抜管した管内面を顕微鏡観察およびEPMA分析により調査した.非孔食地区銅管には肌荒れ状の腐食が発生した.一方,孔食地区銅管には多数の孔食が発生し,その孔食はマウンドレス型孔食に類似した形態的特徴を持っていた.マウンドレス型孔食に似た孔食は7年以上経過した銅管で観察された.7~9年経過後の管に発生した孔食の深さは約100 μmであった.今回の孔食地区フィールド試験において孔食の発生・進展が遅い理由は,銅管内面がSiとAlあるいはSiとFeを成分とするスケールで覆われたことによるものと思われる.