抄録
高吸水性ポリマーと腐食抑制剤を混合したコーティングを鋼板に行い,腐食抑制挙動について検討を行った.試験片に欠陥を付与した後に,35℃の0.5 wt% NaCl水溶液中で電気化学インピーダンス測定によりスクラッチ試験片の分極抵抗の測定を行った.高吸水性ポリマー,硝酸カルシウム,ビニルエステル樹脂を混合したコーティングは2段階で分極抵抗が上昇し,自己修復性を示した.試験片の欠陥部において粒子状の皮膜が確認された.分極測定の結果,浸漬初期に高吸水性ポリマーの作用でカソード反応が抑制され,その後硝酸カルシウムの作用でアノード反応が抑制することが確認された.