材料と環境
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速報論文特集-材料と環境2011
観測結果に基づく大気中のCl濃度と鋼材表面に付着したCl量との関係
広瀬 望武邊 勝道大屋 誠佐藤 誠
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2011 年 60 巻 12 号 p. 524-527

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抄録
鋼材の大気腐食は海岸部で巻き上げられ,橋梁周辺に輸送された海塩粒子の量に依存する.しかしながら,大気中に浮遊する海塩粒子が鋼材に付着することによって,鋼材表面の付着Cl量を増加させるプロセスは明らかとなっていない.
そこで,本研究の目的は観測結果に基づいて,大気中に含まれるCl濃度と鋼材表面に付着したCl量との関係を明らかにするとともに,地上の風向,風速が付着Cl量に及ぼす影響を明らかにすることである.
その結果,大気中のCl濃度と付着Cl量に正の相関があること,付着Cl量は地上風の風速に強く依存することがわかった.したがって,鋼材表面に付着するCl量を正しく求めるためには,大気中のCl濃度だけでなく,地上風の状況を考慮しなければならない.
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© 2011 公益社団法人 腐食防食学会
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