抄録
持続可能な社会を構築するためには資源・環境問題に代表されるような,内容が複雑で関係者が多い問題を解決しなくてはならない.2002年,World Congressでサステイナビリティ科学と言う学術領域が提案された.それは細分化された科学群を分野を横断して目的に合わせて統合し(1)問題を俯瞰して課題を抽出する力,(2)課題を解決する手法や技術を開発する力を導き出すことであった.材料科学には製品のライフサイクルを通して使用性能の信頼性を高め,安全性や物質循環における社会的責任を果たす役割が付加されている.従って,製品の腐食や腐食疲労など時間に依存する性能劣化を予測かつ抑制するシステムツールを開発し,製品のデザイン段階から組み込むことが望ましい.