抄録
橋梁には複数の桁を持つものが多く,同じ桁形状であっても,桁毎に腐食環境が異なる可能性がある.本研究では桁の位置と腐食環境の関係を明らかにすることを目的とした.調査対象は島根県東部に架設されている,橋軸方向が南北で3主桁の耐候性鋼橋梁である.朝方に日射を浴びる東桁と,日中日射を浴びない中央桁について,飛来塩分量,桁内の気温・湿度,鋼板面温度,鋼板面の濡れ,日射量の計測を行った.その結果,ACMセンサの濡れ時間は中央桁の方が東桁と比較して3倍程度長いことが分かった.これは朝方に東桁のみが日射を浴びることで鋼板面温度が上昇し,露点温度との差が中央桁と比較して大きくなり,濡れが生じにくい環境となったためと考えられる.そのため東桁と比較して,中央桁の方がより腐食が進行しやすい環境であると考えられる.