2015 年 64 巻 10 号 p. 462-465
塩化物イオン濃度が異なる鉄筋コンクリート試験体に対してアルミニウム系流電陽極方式の電気防食法を適用し,通電電流が変化する要因の特定と電気防食時の鉄筋の腐食速度および鉄筋の自然腐食状態の改善効果を検討した.その結果,通電電流の低減は,経時的な鉄筋のカソード分極抵抗の増加とコンクリート抵抗の増加により生じることが考えられた.試験終了時には,初期に比べて鉄筋の自然腐食速度が低下した.また,電気防食時の鉄筋の腐食速度は,不動態保持電流密度に相当することが考えられた.