抄録
Rigid Media Tube Filter(RMF)は粗粒のアルミナをホウ酸アルミニウムの結合層(9Al2O3・2B2O3;9A2B)によって接合させたチューブ状ろ過材で,溶融アルミニウムから介在物を除去するのに用いられている.しかし,溶融アルミニウムが9A2Bの結合層を腐食する.RMFの耐食性を向上させるため,チタン酸イットリウム(Y2Ti2O7;YT)前駆体水溶液を用いてYTコーティングを行った.溶融アルミニウム含浸試験による耐食性評価の結果から,9A2B結合層は2週間で腐食されてしまったのに対し,YTによるコーティングを5回行ったフィルターは4週間経っても結合層が残存していることがわかった.