石油タンク底板内面に適用されている重防食コーティングの余寿命評価手法の開発を目的として,塗装鋼板の3wt.% NaCl水溶液への85日間の浸漬試験および266か月間石油が貯蔵された実石油タンクのフィールド調査によって,コーティングのインピーダンス特性を検証した.その結果,コーティングのインピーダンスは一つのCPE(Constant-phase element)の等価回路モデルで解析することができた.このインピーダンススペクトルに現れるCPEの特徴は,コーティング内部への電解質溶液の浸透によって引き起こされることが明らかとなった.さらに,CPEのフィッティングパラメータ値を用いて,コーティングの経年劣化を定量的に評価できることが示唆された.