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論文-材料と環境2016速報論文特集-
都市ごみ焼却炉ボイラ付着灰等の高温熱物性値
篠 靖夫鈴木 敏夫久保 顕一基 昭夫
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2016 年 65 巻 11 号 p. 454-457

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抄録

都市ごみ焼却炉のボイラ蒸気条件は,近年,ごみからのエネルギー回収効率向上に向けて高温・高圧化へと進んできた.その結果,今日,ボイラ伝熱管は以前に増して過酷な環境にさらされている.燃焼ガスの高温度の下で,その一部がボイラ伝熱管に積もる浮遊微粒子から成る飛灰は,ボイラ材料の摩耗,孔食・腐食機構に決定的な役割を果たしている.しかしながら,これらの物質の現実のガス温度における熱物性値に関しては十分報告されていない.ボイラ伝熱管の付着灰,ボイラ水管表面スケール及び焼却灰の高温熱伝導率を明らかにするためにいくつかの都市ごみ焼却炉から試料を収集した.測定結果は,ボイラ水管付着灰と過熱器管付着灰はそれぞれ固有の高温熱伝導率を有することとボイラ水管表面スケールは温度上昇に伴い高温熱伝導率が低下することを示した.加えて,同一粉体試料から得られたレーザフラッシュ法と熱線法の二つの高温熱伝導率は,かさ密度を考慮に入れればおおむね一致していた.

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© 2016 公益社団法人 腐食防食学会
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