2022 年 71 巻 9 号 p. 263-270
本研究では,塩化物イオン(以降Cl-と記す)を含むコンクリート模擬溶液中および実際のコンクリート中において,溶融Zn めっき鋼板の腐食機構と耐食性を調査した.コンクリート模擬溶液中ではめっき表面にめっきの腐食を抑制するCa(Zn(OH)3)2・2H2O(以降CHZ と記す)が形成したが,Cl-濃度の増加に伴い耐食性が低下した.Cl-存在条件下ではZn5 (OH)8Cl2・H2O やCaCO3 が形成し,CHZ の被覆率が低下したためであると考えられる.一方で,実際のコンクリート中では,Cl-濃度によらず腐食促進試験による耐食性低下は確認されなかった.コンクリート中に浸透したCl-が鋼板表面にまで到達せず,CHZ が試験後にも残存したためであると考えられる.