2024 年 73 巻 7 号 p. 175-180
PEFC用ステンレス鋼セパレータから溶出した金属イオンはMEAを汚染し,セル性能を低下させることが知られているが,アノード側あるいはカソード側セパレータのどちらが主な汚染源として作用しているかは明らかになっていない.そこで研磨ままのSUS304セパレータを組み込んだ単セルを用いて発電したMEAの断面をToF-SIMSで分析し,MEA中の鉄,クロム,ニッケルの分布を調査した.その結果,CCM付近で最も鉄,クロム,ニッケルが濃縮しており,次いでアノード側GDLに濃縮していることが明らかとなった.このことは,アノード側セパレータからの金属イオンの溶出がMEA汚染の主要因であることを示している.