矯正研究
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現職刑務官インタビュー記録
刑務所の工場担当が語る処遇の要諦
木村 敦
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2025 年 8 巻 p. 171-215

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抄録

 矯正研究室では、令和6(2024)年度における「効果的な矯正処遇に資する刑務官の実践知に関する研究」の一環として、同年6月から7月にかけ、4か所の刑事施設において、計7名の現職刑務官に対してインタビュー調査を行った。

 調査研究の実施に当たっては、まず、当研究室において、施設規模、性別及び犯罪的傾向の違い等を考慮して4か所の刑事施設を選定し、各施設に対して当方の研究目的等を説明して、インタビュー協力者の推薦を依頼した。この依頼に当たっては、当該施設において工場担当に配置されて現に勤務されている方、又は、工場担当の勤務経験が豊富な方からお話を聴きたいとの要望を伝えた。その上で、各施設から推薦のあった7名の刑務官の方々に対し、インタビュー調査の協力を依頼したものである。インタビューは、事前に研究目的、具体的な研究方法等を書面及び口頭で協力者に説明し、その同意を得た上で、各協力者の勤務先施設に出向いて対面で実施した。

 なお、3か所の施設においては、各1名の刑務官に対して個別インタビュー形式で、1か所の施設においては、4名の刑務官に対してグループインタビュー形式で実施した。

 当研究室において、インタビュー中のすべての発言を録音し、それを文字に起こして逐語録を作成した。その逐語録に基づき、インタビュー記録を取りまとめた。各記録の小見出し及び脚注は、記録の取りまとめの過程で当研究室において付した。これらを含め、インタビュー記録の全内容について、協力者に確認いただいた。

 上記の経緯により作成した本記録は、次頁以降のとおり、紀要『矯正研究』第8号に全文を掲載するとともに、その一部は、同紀要掲載の仲野由佳理当協会特別研究員による論文「『工場』をめぐる刑務官の指導・処遇技術とは何か」において引用・考察されている。また、このように現職刑務官の語った言葉がそのまま、相応の分量の文字媒体として、(矯正部内の資料ではなく)どなたでも読むことが可能な形で公開されることは、これまであまりなかったことであろう。

 具体的に、各インタビュー協力者からは、刑務官としての悩み・葛藤、職務の困難さなどが語られる一方、仕事に対する使命感や創意工夫、受刑者に対する配慮、それらの具体的な実践が開示された。その語りからは、受け持ち受刑者に対する強い思いも伝わってくる。本年6月からの拘禁刑の実施に伴い、刑事施設においては現在、矯正処遇の一層の充実が喫緊の課題とされている。この課題へのアプローチの一つとして、我が国刑務所の現場最前線で長年にわたり展開されてきた受刑者処遇に立ち返り、その要諦とはどのようなものなのか、改めて吟味してみることは有意義であろう。本記録がその一助になれば幸いである。

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