抄録
学習者が望ましいと考える日本語教師の行動特性(促進的行動)について,「望ましい」という価値評価の根拠となる要因を分析した。そこで,日本語教師特性調査用紙を作成し,広島に在住する留学生と外国人一般を対象として調査した。因子分析の結果,4因子(第1因子「教師としての自覚」,第2因子「教科等の専門的知識」,第3因子「教授法の知識・能力」,第4因子「学習者への対人的配慮」)を抽出した。因子得点の高い順に並べると,第4因子>第1因子>第3因子>第2因子となった。この結果,日本語教師の情意的・社会的変数に関わる特性が上位を占めていることが判明した。