抄録
本研究は,中学校技術科で取り扱われる「のこぎり引き」場面を,認知科学的なアプローチにより,「技能の図式」というスキーマ形成の観点から調査した。その結果,技能の習得過程において生徒の型をバランス型,認知型,及びパフォーマンス型の3つのタイプに類別することができた。さらに,認知型,パフォーマンス型のそれぞれの生徒にタイプ別の指導をおこなった。それらの遂行で生じた,対象作品の評価と遂行時の行動分析,および生徒の内観を分析した結果,各タイプに特徴が認められ,生徒の学習状況の把握,及び指導に有用な示唆を得た。