日本教科教育学会誌
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小学校家庭科カリキュラムの検討 : 家庭科担当教員を対象とした調査を中心に
中間 美砂子伊藤 圭子
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1996 年 19 巻 2 号 p. 117-122

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抄録

家庭科を担当している小学校教員のカリキュラム改善についての意見を把握し,そのうえで,カリキュラムについての検討を行うこととした。調査対象は,全国の小学校家庭科研究会地方理事を含む家庭科担当教員である。配布数は計270票,回収数は176票で,回収率は65.2%であった。その結果,教科名を生活系とするものがかなりみられる,生活科・低学年からの家庭科を望む者が多い,家族の生活と住居領域を二つに分ける,または,環境,消費者教育,福祉などとする,実習題材を指定しない,小・中・高の関連を考えたカリキュラムとするなどが望まれていることが明かとなった。これらの結果から,(1)教科名,(2)低学年からの家庭科,(3)統合領域としての家族・家庭生活領域の設定,(4)環境教育,消費者教育,福祉教育の取り扱い方の工夫,(5)実習題材の自由化,(6)小・中・高の関連の上に立つ教科理論の明確化などが今後の検討課題とされなければならないことが明らかとなった。

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© 1996 日本教科教育学会
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