日本教科教育学会誌
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直流と交流の違いを視覚的に学習するための教具開発とその学習効果
山本 利一森山 潤青木 礼三牧野 亮哉
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2000 年 22 巻 4 号 p. 1-8

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抄録

中学校理科や技術・家庭科の電気領域の学習項目である「直流・交流」を視覚的に学習する教具を開発し,実験授業でその学習効果を調べた。開発した教具は,極性を交互に反転して取りつけた2個の発光ダイオードを一定のスピードで回転させ,その光の見え方で直流と交流の違いを学習するものである。直流電圧をかけた場合は,一方の発光ダイオードのみが点灯し,光は連続的につながって見える。交流電圧をかけた場合は,2個の発光ダイオードの光は交互に点滅して見える。さらに,交流電圧をかけたときには,適切な回転速度に制御することによって,点滅する光は停止して見えるので,その点灯しているダイオードの光の数と回転数から周波数を求める学習も可能である。本教具と従来の教具を利用した比較実験授業の結果,本教具を利用すると,交流と直流の違いが発光ダイオードの残像によって観察しやすくなり,周波数に関する学習内容の定着率が向上することが明らかになった。

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