日本教科教育学会誌
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「情報教育」の評価に関するファジイ分析の有効性 : 中学・高校・大学の関連
本村 猛能内桶 誠二
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2000 年 22 巻 4 号 p. 9-18

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抄録

本研究は,中学・高校・大学における普通教育としての情報教育の評価を,先行研究での因子分析・クラスター分析・相関分析と合わせ,ファジイ分析により行い,その有効性を確認していくことを目的とした。研究は,学習者側と指導者側の両方から見た評価項目の設定を行い,同時に,ベテラン教師による授業評価を比較検討した。その結果,ファジイ分析(ファジイ測度・メンバーシップ関数・ファジイ積分など)を用いることにより,従来の分析で得られた結果,すなわち「興味・関心・意欲」「態度」の情意面と「学力定着」がカリキュラムの充実としての「情報リテラシー」の内容と密接に関係していることが明確にされた。また,情報教育の評価には,それぞれの学校段階の他教科の内容を加味し,情報科学(知識・理解面),情報管理(情意面),情報活用(技能面)の観点を取り入れ,課題解決と表現を目標としてリテラシーを導入する内容が不可欠であることがわかった。これは,先行研究で得られた評価項目(情報リテラシー,コンピュータ・リテラシーの意義を踏まえたもの)とも一致している。

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