日本教科教育学会誌
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送電における変圧器の働きと仕組みの教材開発
本多 満正田邉 康夫村石 幸正小松 寛前田 香織山岡 寛人
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2005 年 28 巻 3 号 p. 37-42

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抄録

中学校理科の学習項目である「電磁誘導」と技術・家庭科の電気領域の学習項目である「エネルギー伝送」と「交流」について視覚をともなって学習する教材を開発し,実験授業でその学習効果を調べた。開発した教材は,豆電球2個を抵抗値の大きいニクロム線で並列に接続した回路に交流を流す実験,そのニクロム線部分の前後に昇圧用・降圧用の変圧器を組み込んだ回路に交流と直流を流す実験,および電磁誘導の実験から構成される。変圧器によって高電圧・低電流で送電した場合には電圧降下が少なく,豆電球2個の明るさの違いが目立たない。変圧器の有無によって,明るさが違うことから変圧器の働きを理解する。変圧器に直流を流し豆電球が点灯しないことから変圧器の仕組みと交流の作用を学習する。本教材による実験授業の結果,送電における変圧器の働きと仕組みに関する認識の定着が向上することが明らかとなった。

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© 2005 日本教科教育学会
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