抄録
本稿は,情報教育の学習内容を多角的に検討することを目的として,中学校技術・家庭「情報とコンピュータ」に対する「興味・関心」「理解・自信度」及び「重要度」の構造を把握するための因子分析を行った。その結果,学習者の「興味・関心」は,「コンピュータ利用」「ネットワーク活用」及び「計測・制御とプログラム」で構成されており,そのうち「ネットワーク活用」の興味・関心が最も高かった。「理解・自信度」からは,「ソフトウェア活用」「情報と生活の関係」及び「ネットワーク活用」に関連する3因子が抽出され,そのうち「ネットワーク活用」の理解・自信度が高かった。「重要度」は,「情報処理の基礎能力」「情報の創造的加工」及び「情報の相互表現」から成る構造が認められ,た。「興味・関心」「理解・自信度」及び「重要度」から抽出された因子の相互関連性から,情報教育の学習内容は8つに類型化され,ソフトウェアの機能や用途により意識が相違することが推察された。