2007 年 30 巻 3 号 p. 53-56
小論は,21世紀の学校教育を取り巻く環境が社会のグローバル化の中で大きく変遷を遂げる中,学校における教科としての英語教育学はどうあるべきかを考えるものである。第1に,1960年代に始まる学問としての英語教育学の構想時代からいかに概念規定が行われたか,それに随行して英語教育(研究)の流れを3つの時代に区分し,英語教育学の系譜をたどる。第2に,過去10年間に英語教育全国学会誌に採択された論文の分野や研究方法の分析から,近年の英語教育学研究の動向を概観する。このような流れを踏まえて,最後に,今後の教科教育としての英語教育学研究の将来について,校種を越えた教科内および教科間の連携から,あるべき方向を模索する。