抄録
本研究は,小学校教員養成課程における「外国語活動指導法」に関する科目において,特に留意して指導すべき事項を学生の実態から検討することを目的とする。小学校教員を目指す学生の「外国語活動指導者イメージ」を探るため,107名の学生を対象に自由記述による質問紙調査を行った。その結果,学生の中には学級担任の役割を「通訳」や「助手」と捉えている者がいることや,指導者は「正しい発音」ができる必要があると感じている学生が多いことが明らかになった。しかしながら,学習指導要領では授業を計画し,実際に授業を行うのは学級担任であると示されており,また世界中で英語が用いられる今日,英語母語話者のような発音はさほど重視されていない現状がある。すなわち,学生の持つ「外国語活動指導者イメージ」と現実に指導者に求められると考えられる力には乖離が見られる部分があり,指導において,これらの点に特に留意する必要があると考える。