抄録
本稿の目的は,国語科教育における「主題単元・主題単元学習」の史的展開を明らかにすることにある。稿者は,主に主題単元学習を提唱した八者の理論や実践を,①目標,対象となった学習者②「主題単元学習」で用いられた教材,学習活動,という観点から検討した。その結果,①の目標には国語科教育としての思考力が,続いて学習者の人生に関わるテーマを考えることが強調され,その後に言語技術が強調された。対象となった学習者は,学習に困難を抱える学習者へと適応範囲が広がった。また②は,時代が下るにつれ,多様なものが活用された。特に,現代文と古典を統合する試みは,言語文化を一連のものと捉える,大きな意義を持つものであった。これらの変遷において,「主題単元学習」は,学習者の意欲の喚起,言語技術の習得,言語生活の向上,思考力の向上が達成されたが,適用される学校段階,テーマの系統化,評価の在り方が課題として残っている。