日本教科教育学会誌
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小学校説明的文章の「論理」の読解方略指導における条件的知識の学習可能性
― 高学年の場合 ―
古賀 洋一
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2018 年 41 巻 3 号 p. 1-14

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抄録
本稿では,説明的文章の「論理」の読解方略指導において,小学校高学年がどの程度条件的知識を学習できるのかを検討するとともに,その学習を促進するカリキュラムについての示唆を得るために,小学校教諭との共同研究による授業実践を分析した。分析の結果,次の成果が得られた。一点目に,意図的・計画的な指導を行えば,小学校高学年であっても,「論理」の読解方略の条件的知識を十分に学習できることである。二点目に,学習者が「論理」に注目して批評的意見を表現できるようになるうえで,「方略を『選択』『統合』できることを『理解目標』とした指導」から「批評的意見の表現を『理解目標』とし,その中で方略を『選択』『統合』させる指導」への段階的なカリキュラムが有効なことである。三点目に,学習者に躓きを乗り越えさせ,条件的知識の学習過程を辿らせるための指導方法の観点からカリキュラムが精緻化されたことである。
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