2021 年 44 巻 3 号 p. 15-28
急速な社会の進展に伴い,学校教育においてコミュニケーション力の育成が求められている。 本研究では,コミュニケーション力の育成を目的とした学習者用のルーブリックを作成し,それを用いて小学校社会科において授業実践を行った。学習者が単元を通してルーブリックを継 続的に利用し自己評価を行った結果,ルーブリックの評価に変化が見られた。学習者は意識的 にルーブリックを利用し,話し合い活動を円滑に進める姿や,自分自身の苦手とする項目を認 知したことが示唆された。また,理想的なコミュニケーションのあり方を意識しながら活動を 行うことに繋がり,学習者のコミュニケーション力の向上が示唆された。