日本教科教育学会誌
Online ISSN : 2424-1784
Print ISSN : 0288-0334
ISSN-L : 0288-0334
原著
学校長との関わりから見る諏訪高女入職十年の環境研究 ―戦前大村はま実践の源流の一つとして―
片岡 実
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 45 巻 3 号 p. 13-23

詳細
抄録

 本研究の目的は,大村はまの教育観の形成に影響した初任校である諏訪高女の校風や,校長の初任者指導を概観し,大村の指導観や指導方法形成の源流の一つを明らかにする。

 研究の結果,諏訪高女の初任者指導には,岩垂今朝吉校長から脈々と受け継がれてきた生徒や教師の個性を生かすことが重視され,生徒間に生じる差へも配慮するよう指導が徹底されている。それらの指導は時代の流れに順応しながらも,根底にある個性の尊重は揺らぐことなく,三村安治校長以降も代々の校長によって受け継がれ,大村はまの実践に影響を与えた。

著者関連情報
© 2022 日本教科教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top