日本教科教育学会誌
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発見学的戦略を用いた数学的問題解決過程の実験的研究について
伊藤 俊彦
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1982 年 7 巻 2 号 p. 55-63

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抄録

Polya,G.(1945)の提唱した発見学的戦略による数学的問題解決モデルの実験的,実証的研究が,1970年代米国で数多くなされた。それらの実験的研究について共通していえることは,数学における問題解決過程に焦点をあて,Polya,Gの発見学を問題解決戦略として用い,問題解決過程を行動分析してその過程のメカニズムを解明することである。これらの実験的研究に共通した実験方法,問題解決過程の行動分析体系,よく使われる統計的手法などは,数学的問題解決の教授-学習の研究方法論や評価論の構築の基礎になると考えられる。数学的問題解決についての研究方法や評価は,わが国では明確に客観化されていない。そこで本報告は,数学的問題解決の研究方法や評価を明確に客観化するための基礎的研究として,1970年代の米国における数学的問題解決の実験的研究の考察を試みた。

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© 1982 日本教科教育学会
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