日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
新潟県におけるコシヒカリのいもち病真性抵抗性マルチラインの実用化
石崎 和彦松井 崇晃原澤 良栄
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2005 年 74 巻 4 号 p. 438-443

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抄録
新潟県において育成されたいもち病真性抵抗性をもつコシヒカリの同質遺伝子系統について, これらを利用したマルチラインの主要特性を評価した. いもち病真性抵抗性同質遺伝子系統, コシヒカリ新潟BL1号(Pia), BL2号(Pii), BL3号(Pita-2)及びBL4号(Piz)を, それぞれ10%, 20%, 50%及び20%混合したマルチラインは, 原品種コシヒカリとの間に, 生育, 収量, 品質及び食味の各特性において有意な差は認められず, 極めて同質性が高かった. 一方, 穂いもち発病株率は両品種の間に1%水準で有意な差が認められ, マルチラインの発病抑制効果が実証された. また, コシヒカリポジキット(Takaraコメ判別用PCR Kit I)のマルチプレックスPCRの識別バンドは, マルチラインが5本, 原品種コシヒカリが3本を示した. 以上のことから, コシヒカリマルチラインは, 原品種コシヒカリと同じ特性を備え, いもち病に対する抵抗性を有し, DNAレベルで両者の識別が可能と考えられた.
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© 2005 日本作物学会
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