サチユタカの裂皮粒発生の防止対策技術を確立するために, 播種時期, 栽植密度および各農業形質と裂皮粒発生率との関係を明らかにした. 裂皮粒の発生率は, 播種時期では生産年次に関わらず6月播種の早播で多く, 7月10日以降の播種時期では減少する傾向が認められた. 栽植密度では7月10日の適期播種においても6月播種と同様に栽植密度が高くなると裂皮粒の発生率が低下した. 一方, 7月24日の遅播きでは栽植密度の違いによる裂皮粒発生の差は認められなかった. 農業形質と裂皮粒発生率との関係では, 百粒重および子実重との間には有意な相関関係は認められなかったが, m2当たり粒数および粒茎比との間に有意な負の相関関係が認められた.したがって, サチユタカの裂皮粒発生の防止対策としては, m2当たり粒数を確保し, 粒茎比を高める播種時期, 栽植密度を設定する必要があった.