抄録
打込み点播機を用いた水稲の湛水土中直播栽培において, 緩効性肥料を用いた播種同時打込み施肥技術の確立をめざし, 同時施肥が出芽・苗立ちに及ぼす影響をポットおよびコンテナ実験で検討した. 同時施肥を想定した打込み区は, 全層区に比べて出芽率ならびに地上部・地下部の初期生育が遅れる傾向を示した. また, 土壌中のアンモニア態窒素濃度は打込み区が全層区に比べて高く推移した. この場合, 播種後の落水管理をすることにより出芽率が向上し, 加えて地上部・地下部の初期生育が促進され, 同時施肥による初期生育の遅れが解消された.