抄録
シリカエアロゲルは高気孔率、高可視光透過性など特異な物性をもつ多孔性物質である。しかしながら脆性が極めて高く、材料としての利用は限られている。近年、有機-無機ハイブリッド体を与えるメチルトリメトキシシラン(MTMS)を用いたゾル-ゲル系において、疎水性メチルシロキサン架橋体の相分離を界面活性剤により抑制することで、柔軟なエアロゲルが得られることが報告された。本研究では、界面活性剤としてエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)単位からなるトリブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤(EOmPOnEOm)を用い、メチルシロキサン架橋体の相分離抑制に対する界面活性剤の役割を明らかにすることを目指した。