日本作物学会紀事
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栽培
圃場条件下における土壌硬度の違いが根粒超着生ダイズ品種作系4号の生育および収量に及ぼす影響
島村 聡高橋 幹野原 努中村 卓司中山 則和山本 亮金 栄厚島田 信二
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2006 年 75 巻 4 号 p. 480-486

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抄録
根粒超着生ダイズ品種「作系4号」は, 耕起栽培よりも不耕起栽培において安定して多収を示すことが明らかになっている. この原因として作系4号では根粒が多量に着生するために, 根系が小さくて, 土壌乾燥ストレスに弱いことが想定される. そこで, その要因解明の一環として, 不耕起条件のモデルとして土壌鎮圧処理を行い, 土壌硬度が異なる圃場で栽培したときの作系4号と親品種エンレイの生理・生態的特性を比較解析した. その結果, 作系4号は, 鎮圧区, 非鎮圧区の両方において根の発達程度がエンレイより劣り乾燥ストレスを受けやすい状態であったが, 鎮圧区では非鎮圧区より出液速度および気孔コンダクタンスは高く, 土壌の鎮圧処理により乾燥ストレスが緩和された. 作系4号では, 鎮圧区の地上部乾物重は生育初期から非鎮圧区に比べて高く, 鎮圧区の収量は2003年, 2004年ともに非鎮圧区より50 g m-2以上高まって約360~380 g m-2であり, 鎮圧処理効果に1%水準で有意性が認められた. 一方, エンレイでは同様の効果は認められなかった. 作系4号は根の発達がエンレイより劣るために土壌の乾燥ストレスを受けやすくなるが, 鎮圧処理により土壌体積含水率が高まると根からの吸水性が改善されて乾燥ストレスが緩和され, その結果, 作系4号の物質生産能力が高まり子実収量が向上したと考えられた.
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© 2006 日本作物学会
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