抄録
モミラクトンBがイネのアレロパシーにどの程度関与しているかを検討するために,8品種のイネ芽生えのアレロパシー活性と,これらのイネ芽生えからのモミラクトンB放出量を測定した.すべてのイネ品種は検定植物に対して生長抑制活性があり,その生長抑制活性は品種間で異なっていた.また,モミラクトンBはすべてのイネ品種の培養液中から検出され,これらのイネ品種がモミラクトンBを培養液中に放出することが明らかになった.また,モミラクトンBの放出量は品種間で異なっていた.イネ8品種の生長抑制活性とモミラクトンBの放出量の間には有意な相関があり,モミラクトンBの放出量が多い品種ほど生長抑制活性も強かった.以上の結果から,モミラクトンBはこれらのイネ品種のアレロパシーに重要な役割を持つことが示唆された.