抄録
積雪地帯で大きな被害をもたらす褐色雪腐病に対するオオムギの拡大抵抗性に関して, 低温順化処理期間, 光条件及び低温順化後の温度条件の影響について検討した. 拡大抵抗性程度は, 完全に展開した第3葉に褐色雪腐病菌を接種し, 病斑長を測定して評価した. オオムギ品種ミノリムギをガラス室で3週間生育させ, 低温順化処理(2℃, 12時間日長)を行った後, 拡大抵抗性程度を測定した. 無処理区と比較して, 7日間の低温順化処理区において抵抗性程度が有意に増加した. 低温順化処理14日間でさらに抵抗性が増加したが, 28日間ではそれ以上の抵抗性の増加は認められなかった. 7日間の低温順化処理で抵抗性が増加するためには, 全7日間で明条件(12時間日長)が必要であったが, 光の強さ, 波長の影響は認められなかった. さらに, 7日間の低温順化処理で増加した抵抗性程度は, その後15℃, 暗黒条件に2週間おくことにより, 低温順化処理前と同等まで低下した. また, 7日間の低温順化処理後に0.5℃, 暗黒条件に4週間置くと低温順化処理前よりも抵抗性程度が低下した.