抄録
現在, 普及面積が増加している点播や条播などの湛水土中播種ではころび型倒伏よりなびき型倒伏あるいは挫折型倒伏が生じることが多く, これらの耐倒伏性には従来報告されてきた深根性だけではなく, 稈基部の物理的性質も寄与している可能性が考えられる. そこで, 国内外14の品種・系統を供試し, コンクリート枠水田を使って湛水直播栽培した水稲について, 根の伸長角度および稈基部の物理的性質と耐倒伏性との関係を検討した. その結果, 播種深度に関わらず深根性, 断面係数および葉鞘付挫折時モーメントと耐倒伏性の間には有意な相関関係が認められたが, 葉鞘付挫折時モーメントは深根性に比べて標準偏回帰係数および偏相関係数が大きく, 稈基部の物理的性質が深根性に比べて点播や条播などの湛水直播水稲の耐倒伏性により密接に関係していることが示唆された.