日本作物学会紀事
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収量予測・情報処理・環境
栃木県における農業用水の水質実態およびその経年変化
宮﨑 成生関和 孝博吉田 智彦
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2009 年 78 巻 2 号 p. 234-241

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抄録
栃木県内の主要農業用用水85 地点および農業用排水6地点の水質を1996~1998年の3年間にわたり,水稲栽培期間を中心に調査した.その結果,農業用用水の水質基準値内の割合はpHが70%,ECが88%,CODが84%,T-Nが30%,SSが100%であった.調査時期による水質の変化は小さかった.水質汚濁は渡良瀬川流域と鬼怒川流域で進行していた.また,汚濁の激しい地点は県南部および西部の都市下流域で,人口,下水道普及率との関係が示唆された.農業用排水は用水に比較してSiO2を除き栄養塩類濃度が高かった.調査地が同一である53地点について10年前と比較したところ,栄養塩類の濃度は低下する傾向にあり,特にT-Nで顕著であった.
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© 2009 日本作物学会
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