日本作物学会紀事
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栽培
収穫時期がパン用コムギ品種「ミナミノカオリ」の製粉性,生地物性および製パン適性に及ぼす影響
岩渕 哲也田中 浩平松江 勇次松中 仁
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2009 年 78 巻 4 号 p. 449-454

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抄録
本研究では,2002/2003年,2004/2005年および2005/2006年の3シーズンにわたり,北部九州におけるパン用コムギ品種「ミナミノカオリ」の収穫時期が製粉性,生地物性および製パン適性に及ぼす影響について検討した.収穫時期は,成熟期前2日~成熟期後1日に収穫したものを早刈り,成熟期後3~7日で収穫したものを標準刈りとし,成熟期後8~12日で収穫したものを遅刈りとした.早刈りは,3シーズンとも子実の水分含量が26.1~37.0%と標準刈りの11.4~19.6%に比べて高かった.早刈りでは,グルテンインデックスが低かったことからグルテンの質が低いと判断され,生地物性を評価するファリノグラムの生地の形成時間が短く,バロリメーターバリューが低く,製パン適性を評価するパン比容積は標準刈りとの間に差はみられなかった.遅刈りは,容積重や製粉性を評価するフォーリングナンバー値が遅刈りの収穫前に100mmを超える多量の降雨が認められた2005/2006年で低かった.また,遅刈りは,成熟期後の降水量が少ない2002/2003年でも容積重が軽くなった.以上のことから,パン用コムギ品種「ミナミノカオリ」では,収穫時期は子実水分含量が20%以下に低下する成熟期後3~7日の標準刈りが,製粉性,グルテンの質および生地物性が高くなると期待されることから最適であると考えられた.
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© 2009 日本作物学会
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