日本作物学会紀事
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収量予測・情報処理・環境
愛知県において77年間継続した四要素及び堆肥施用試験における各要素の効果発現の特徴と気象条件との関係
-主成分分析による解析-
籾井 隆志釋 一郎松家 一夫中嶋 泰則濱田 千裕林 元樹
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2010 年 79 巻 3 号 p. 336-341

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抄録
愛知県農業総合試験場では,1926年から水稲の四要素(窒素,りん酸,カリ,石灰)及び堆肥連用試験と各要素連年無施用の試験を行っている.2002年までの77年間における試験結果において,各試験年次の各試験区の収量がどのような特徴を示しているかについて考察するため,主成分分析を行った.主成分分析の結果,2つの主成分が観察され,第1主成分は,窒素,りん酸ともに施用した場合の収量の多少,第2主成分は,窒素,りん酸のいずれかあるいは両方を施用しない場合の収量の多少と解釈できた.主成分分析により,各試験年次のグループ分けをすることができた.分けられた各グループの施肥効果,気象条件等の特徴を調査したところ,窒素,りん酸をともに施用した試験区で収量が高いときは,カリ,石灰の施用効果が低く,堆肥の施用効果が落ち込まないことが考えられた.また,窒素,りん酸のいずれかを施用しない試験区の収量が高いときは,日照時間が多く,このとき,窒素,りん酸をともに施用したときに,カリ,石灰の施用効果が大きくなることが考えられた.多照条件で,NPCa(無カリ)区,NPK(無石灰)区はNPKCa(四要素)区に比較して,より減収したが, 多照条件下では.カリ欠除及び石灰欠除に伴うカリウム吸収の抑制による低湿度下での光合成の著しい減少が関係し,減収したものと考えられた.また,窒素,りん酸をともに施用した場合,カリ,石灰の施用効果は日照時間が多く光合成により適した環境下で大きいことが示唆された.
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© 2010 日本作物学会
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