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日本作物学会紀事
Vol. 79 (2010) No. 4 P 407-413

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http://doi.org/10.1626/jcs.79.407

総説

コムギの品質において重要な要素である子実タンパク質含有率を栽培的に制御することの可能性について議論することを目的とする.コムギ子実タンパク質含有率は実需の生産物に対する要望として重要であるために生産者にとっても非常に関心の高い事項である.子実タンパク質含有率を制御するために窒素施肥が行われるが,子実タンパク質含有率は子実のタンパク質の量だけでなく子実重によっても増減するため,その制御は簡単ではない.窒素施肥時期と子実タンパク質含有率や収量の関係についての過去の報告を取りまとめた結果,播種前や茎立期など,シンク容量がまだ決定していない時期の窒素施肥は主に収量を増やす方向に働くのに対し,穂孕み期以降のシンク容量が決定した後の窒素追肥は主に子実タンパク質含有率を高める方向に働くと考えられた.さらに子実窒素含有量は主にソースによって制御されていると考えられた.窒素追肥が子実タンパク質含有率や収量に影響を及ぼすメカニズムを明らかにすることは,現場で利用できるコムギ子実タンパク質含有率の制御技術の開発に際し重要になるだろう.

Copyright © 2010 日本作物学会

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