日本作物学会紀事
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栽培
水田転換畑におけるダイズ不耕起狭畦無培土栽培の継続による収量, 品質の経年変化
坂東 悟藤山 英保
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2011 年 80 巻 4 号 p. 426-432

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抄録
細粒灰色低地土・灰色系の水田転換畑において,ダイズ不耕起狭畦無培土栽培(畦幅30 cm)を連作した場合の収量や品質の特徴を把握するため,慣行の耕起培土栽培(畦幅70~75 cm)を連作した場合との比較試験を行った.試験はダイズ(タマホマレ)を用い,窒素,リン酸,加里は無施用で石灰資材のみ施用し,裏作無しで7作継続して栽培を行った.試験期間中,窒素肥沃度の指標とされる可給態窒素は試験開始時と比べ7作目で不耕起区は64%,耕起区は45%まで減少した.子実収量は両処理区とも7作平均で約320 g m-2と両処理区間で差はみられず,また栽培継続による減収も認められなかったが,耕起区で子実収量の年次変動が大きかった.また,不耕起区は耕起区に比べ百粒重が小さく,大粒率が低く,茎の太さが細く,個体あたり莢数が少なく,m2当たり莢数は多いといった個体密度の違いが原因と考えられる特徴が試験期間を通じてみられた.子実タンパク質含有率は年次により変動したが,経年的な増減傾向および処理間差は認められなかった.子実カルシウム含有率は土壌中の交換性石灰含量と高い正の相関(r=0.86**)が認められ,両処理区とも5作目まで年々高くなり,試験開始時の約2.5倍となった.また,7作平均値では不耕起区の子実カルシウム含有率が高く,これは土壌管理の違いにより石灰資材の作土中の蓄積量が多いためと考えられた.等級は5作までは不耕起区が耕起区より下回ったが,6作以降は同等か不耕起区が高い傾向にあった.
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