抄録
寒冷地における湛水直播栽培では,気温が低い条件で播種した場合,出芽・苗立ちが遅れた結果,最終的な出芽・苗立ち率は低下して,生育量不足によって低収となることがある.これまで,寒冷地における湛水直播栽培の出芽・苗立ち確保の目安となる播種早限は,平均気温から推定されていたが,今後は地域の気象条件に対応して,よりきめ細かい播種早限の提示が必要である.本研究では,北陸地方の湛水直播栽培において安定した出芽・苗立ちを確保する目的で,アメダス気象データとアレニウス式を利用して,北陸各地点における湛水直播栽培の播種早限を新たに推定した.その結果,日平均気温から推定した播種早限と気温日較差から推定した播種早限は異なった.また,内陸部では高標高地点を除いて播種早限は早まり,沿岸部周辺では播種早限は遅れる傾向となった.