日本作物学会紀事
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栽培
キノアの発芽と初期生育における耐塩性の品種間差と作物間差
磯部 勝孝荻島 恵梨佐藤 竜司杉山 光肥後 昌男鳥越 洋一
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2014 年 83 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

発芽におけるキノアの耐塩性の品種間差と初期生育における耐塩性の作物間差を明らかにした.3タイプ13品種のキノア種子を0 mMから1000 mMの塩化ナトリウム溶液下で,発芽時の耐塩性を比較した.その結果,キノアの発芽率には品種間差が認められ,供試した中ではCICA-127が発芽における耐塩性が強いことが明らかになった.キノアとナタネ,ダイコン,コマツナを塩化ナトリウムを施用した土壌を充填したポットで育成し,出芽や初期生育量から耐塩性の作物間差を調査した.その結果,キノアは塩化ナトリウムの施用量の増加に伴う出芽率の低下が他の作物より小さく,初期生育は塩化ナトリウムを施用することにより促進された.これらのことから,出芽や初期生育時のキノアの耐塩性はナタネやダイコン,コマツナに比べて高いことが明らかになった.

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© 2014 日本作物学会
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